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2010年11月21日 - 2010年11月27日

2010年11月23日 (火)

雇用と,"カイゼン"

大学生の就職難,非正規雇用や派遣,請負の問題.
日本の雇用を取り巻く状況は大幅に変化しつつあります.
私の勤め先でも非正規雇用や派遣,請負が増えていますし,
テレビ番組でもこの問題がよく取り上げられ様々な議論がなされていますが,
その議論が被雇用者側へのデメリットに関する議論に終始してい点に少し違和感を感じています.
無論,私を含め日本人の大多数が「被雇用者」という立場だと思いますので,
この議論自体は決して無駄ではないと思うのですが,
雇用が創出されるのは産業の発展があってこそであり,
雇用者側が「非正規労働,採用抑制したほうがより儲かる」と判断している事実を論破しない限り,
この問題は決して解決しないのも事実です.

自分はこの雇用問題というのは産業の発展を阻害する可能性がある,
企業の基礎体力や発展の可能性を大幅に削ぐ可能性があると考えています.
それはひとえに日本の製造業が培ってきた"カイゼン"と呼ばれる生産方式によるものです.

わざわざ私が説明するまでもないかもしれませんが
日本の生産現場の改善は数人のエキスパートによるものではなく
働く人が全員参加型の活動で行われてきました.
カイゼン提案,QCサークル,小集団活動など,
そういった現場のひとり一人が自分の働く場所をよりよいものにしよう,
もっと楽に効率よく働けるようにしよう.
そういった集合知を上手く取り入れたからこそ今の日本の発展はあったと考えています.

しかし,今この雇用形態の変化が日本型"カイゼン"システムに深刻な影響を与えつつあります.
例えば派遣労働者や請負の場合,社員がお客様となってしまい
社員と労働者の間に壁が生まれフラットな情報伝達ができなくなっています.
このことは「現場の声」が上に上がらなくなることを意味しています.

#新人の頃(といっても高々7年ほど前ですが),電話一本でよく現場のおっちゃんに呼び出され
#「なんでここがこんな事になってるんだ?こうじゃダメなのか?」
#と怒られたもんですが…最近はそんな会話も少ないとか.

また非正規労働者の増加は「自分の今いる場所を良くしよう」という意思を削ぎかねません.
明日にも追い出されるかもしれない所を良くしようという気になるのでしょうか?

日本のいい所を尊重しようと言いつつ,そのいい部分を殺しているのが今の雇用問題
そしてこれが進めば日本型の"カイゼン"活動も終わりを告げるでしょう.
その時が本当の意味での日本の終わりなのかもしれないと思うのです.

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