« 搭乗員と,逃亡 | トップページ | 技術者と,平和 »

2010年8月14日 (土)

江戸のリサイクルと,漆

江戸時代の江戸の町は高度な「リサイクル社会」だったそうです.

下名は落語好きなのですが,
その中にも古道具屋から,故紙回収,煙管の竹の交換(羅宇屋),鍋や釜の修理(鋳掛屋)といった
リサイクル業従事者が多数出てきます.

#『代書屋』の"ガタロ商"(川底のくず鉄拾い)も含めるべきかな(笑)

正直な所,江戸のリサイクル業を調べれば調べるほど
今の日本社会のほうが退化しちまったんじゃないかとさえ思えてきます.
"廃棄物が出ない"社会というのが過言ではないぐらい.
なんせ廃棄物が価値を持って取引されるぐらいなのですから.

#例えば長屋の屎尿はその大家の持ち物とされ,農家に売られて収入源となったとか.

さてその中で気になったのが「陶器のリサイクル」です.
江戸時代は割れた陶器さえ継いで使ったそうですが,
その方法については落語の中で言及はありませんでした.
以来,ずっとこの疑問が頭の中に残っていました.

そんなある日,東急ハンズで"金継キット"なるものを見つけました.
で,そんな頃にうっかり招き猫(メモ立て)を倒したところ腕が折れてしまいました.
888654637_214
(古い携帯で撮った写真ですので画質の荒さ,ピンぼけはご容赦のほどを.)

こりゃ継ぐしかないでしょう.
というわけで金継キットを買って来てトライしてみました.

方法としては割れた面に砥の粉を混ぜた漆を塗り,
ご飯粒を練り込んだ漆で繋ぐという方法です.

結構,接着理論の理にかなった手法です.
界面剥離を防ぐために表面に密着するものを塗り,
強度部材となるものでその間を埋める.
接着剤は同種のものなのでその間での界面剥離は起こりにくい.

そして最後に外観を整えるために金粉を塗る.
(まあここは実用品には不要の処理かもしれませんが.)

そうして出来上がったのがコレ
967264302_80

思った以上にガッチリ固定されました.
修理してからもう2年ほど使っていますが素人仕事なのに外れる気配はありません。
また余った麦漆(ご飯粒を練り込んだ漆)が石みたいにカチカチに固まったのが印象的でした.

以来,漆という材料に魅せられています.
加わるフィラーにより性質を様々に変え,その特質にあった用途に用いられる.
乾燥すると人体に無害で,色美しくおまけに植物由来なのに熱に強い.
非常に面白い材料です.

もう少し色々勉強してみたいと思っています.

« 搭乗員と,逃亡 | トップページ | 技術者と,平和 »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/557999/49141131

この記事へのトラックバック一覧です: 江戸のリサイクルと,漆:

« 搭乗員と,逃亡 | トップページ | 技術者と,平和 »